私たちについて グロアのスタンス ストーリー サービス 実績 記事 資料 会社概要 グロアに相談する

ターゲティングを絞りすぎても効果は薄い|CPAが動くのはクリエイティブ

最終更新
公開日
  • 広告
  • ターゲティング
  • クリエイティブ
  • BtoB
ターゲティングの設定ではなくクリエイティブがCPAを動かすことを示した図

「ターゲティングを絞れば、狙った人にだけ届く。だから、質の高いユーザーが取れるはずだ」

そう考えて、管理画面で年齢や興味関心を1つずつ足していませんか。

そこを詰めても、CPAはほとんど動きません。

なぜなら、自動入札を使っている時点で、申し込みそうにない人への配信は機械がすでに抑えているからです。そこへ人が年齢を狭くしても、機械がやっていることを、二重にやっているだけです。

動くのは、誰に届けるかではありません。何をどう見せるかのほうです。

私が担当した商材でCPAが半分以下になったとき、やったのは訴求とビジュアルの作り直しでした。配信の設定は、ひとつも触っていません。

この記事では、設定では変わらない理由と、見せ方のどこから手をつけるかを書きます。細かく絞ったほうがよい場面も、後半に置きます。

この記事でわかること

  • ターゲティングを詰めてもCPAは動かない。見込みの薄い人は機械が外す
  • CPAが半分以下になったとき、設定は触らず訴求とビジュアルを変えた
  • 業種ごとに効く見せ方がある。3社以上で同じ形が続けば型。広まると効かない
目次
  1. ターゲティングを詰めても、CPAが動かない理由
  2. CPAを半分にしたのは、クリエイティブの作り直しだった
  3. 型は、競合の広告から拾える
  4. 型は、いつまでも効くわけではない
  5. 広告と着地先で、言っていることを揃える
  6. それでも、配信の設定を触るなら
  7. この見方が当てはまらない場面
  8. まとめ:設定ではなく、見せ方から手をつける
  9. よくある質問
  10. 参考にした資料

ターゲティングを詰めても、CPAが動かない理由

絞ったのに、CPAが変わらない。むしろ悪くなった気がする。

そう感じているなら、原因は絞り方ではありません。手動での絞り込みが、いま機械のやっていることと重なっているからです。

機械は、見込みの薄い人をすでに外している

自動入札を使っているなら、コンバージョンしにくい人への配信は、設定を触る前から機械が抑えています。

そこへ人が手動で年齢や興味関心を狭くしても、機械がやっていることを二重にやるだけです。リーチは減りますが、コンバージョン率はあまり変わりません。

「絞ったのに何も良くならなかった」という失敗の多くは、これが原因です。

機械がやっていることと、人が手動でやることが重なっていることを2つの円で示した図。重なった部分は「同じこと」。手で絞ってもリーチが減るだけで、コンバージョン率は変わらない

手動でコントロールできる範囲は、年々狭まっている

Meta広告には、指定した条件の外にも配信を広げる仕組みがあります。細かく指定しても、機械はそれを絶対の条件ではなく目安として扱い、成果が出そうな人がいれば設定の外にも配信します。

つまり、設定画面で人が勝負できる範囲そのものが狭くなっています。ここを詰める作業に時間を使っても、返ってくるものは年々小さくなっています。

では、どこで勝負するのか

クリエイティブです。何を一番に言い、どんな絵を見せるか。

同じ商材でも、そこを変えるだけで反応は変わります。そしてここだけは、機械が代わりにやってくれません。

配信の最適化は、どの会社も同じ機械に任せています。差がつくとしたら、機械に任せられない場所です。人が作るしかない場所が、そのまま競合との差になります。

POINT

  • 配信の設定を詰めても、機械がすでにやっていることの上塗りになる
  • 残っているのは、何をどう見せるかの設計

CPAを半分にしたのは、クリエイティブの作り直しだった

では、配信の設定を触らずに何をしたのか。実際にやったことを書きます。

変えたのは、訴求とビジュアルの2つ

冒頭に書いた商材では、配信の対象を狭くも広くもしていません。年齢も地域も興味関心も、設定はそのままです。

変えたのは2つだけです。何を一番に言うか(訴求)と、どんな絵を見せるか(ビジュアル)。

商材は同じ。価格も売り方も変えていません。それでCPAが半分以下になりました。

CPAが半分になったとき触ったものを示した図。触っていないのは配信の設定、作り直したのは訴求とビジュアル。配信の設定はひとつも触っていない

やみくもに作り直したのではなく、型に乗せた

広告には、業種ごとの勝ちパターンがあります。

ゲームやエンタメなら、代表的なものは3つです。

  • 比較の型(AとB、どちらが強いか)
  • クイズの型(この場面、どうする?)
  • 文字尽くし(画面いっぱいに情報を詰める)

一見すると雑に思えるデザインでも、当たるものは当たります。その業種の広告を見慣れた人が反応する形は、決まっているからです。

やることは、この型に自社の商材の魅力を乗せ替えることです。中身をゼロから考えるのではなく、反応が出ると分かっている枠組みを借りてくる。そう考えるほうが実際に近いはずです。

他社の検証でも、同じ結果が出ている

運用型広告の会社が、同じ趣旨の検証を公開しています。同じシナリオのまま、表現方法だけを実写から手描きに変えたところ、CPAが約49%改善したという内容です。配信の対象は変えていません。

デジタルアスリート株式会社 執行役員のX投稿。UGC動画と同じシナリオを手描き動画に変えてCPAが約49%改善したという内容

【この時代にあえて手描き動画で改善した事例】Meta広告で、UGC動画と同じシナリオを「あえて手描き動画」に変更。その結果、CPAが約49%改善! ポイントは、これだけ ・シナリオは変えない ・表現方法だけを変える ・UGC動画と同条件で比較する

デジタルアスリート株式会社 執行役員のX投稿(2026年8月)

他社が自社の実績として公開しているものなので、条件が本当に同じだったかを私が確かめたわけではありません。根拠として置くのではなく、同じ方向の話が現場から出ている、という程度に見てください。

POINT

  • 配信の設定は止めたまま、訴求とビジュアルを業種の型に乗せ替える
  • CPAは、そこで動くことがある

型は、競合の広告から拾える

見せ方を変えるといっても、白紙から考える必要はありません。当たっている形は、すでに世の中に出ています。

3社以上で重なっている形を探す

探し方は3手です。

  • 同じ業種で、長く出稿が続いているクリエイティブを集める
  • 何を一番に言っているか(訴求)と、どんな絵か(ビジュアル)を分けて並べる
  • 同じ形が3社以上で使われていたら、それが型です

長く出続けているものは、当たっているから続いています。ただし逆は言えません。短期で消えたものは、外れたのかもしれませんし、キャンペーンが終わっただけかもしれません。続いているものだけを拾い、消えたものは判断材料にしないでください。

媒体によって、見られるものが違う

Metaの広告ライブラリを使えば、出稿中のクリエイティブを外から一覧できます。誰でも、ログインなしで見られます。

Meta広告ライブラリで「マーケティング」と検索した画面。約5,700件の広告が、掲載開始日つきで並んでいる
出典:Meta広告ライブラリ 2026-09-06時点 サイトを見る

見るのは掲載開始日です。何か月も前から出ていて、いまも「アクティブ」なら、それは続いている広告です。一方で検索広告は、外から出稿期間を追えません。

検索広告で型を探すなら、実際にキーワードを検索し、出てきた広告文を日を分けて記録していく作業が要ります。同じ文言が何週も出続けているなら、それが当たっている型です。

拾うのは形であって、中身ではない

型を借りることと、他社のコピーを写すことは、まったくの別物です。

比較の型もクイズの型も、特定の会社のものではありません。その業種で反応が出る見せ方の枠です。枠に乗せる中身は自社の商材なので、出来上がるものは別のものになります。

写してはいけないのは、コピーの文言、独自のキャラクター、他社の実績や数字です。

型は、いつまでも効くわけではない

ただし、見つけた型をそのまま使い続けることはできません。効かなくなる日が来ます。

効いているのは、他社が気づいていないから

当たっている形が効くのは、その業種の広告に、まだその見せ方が無いからです。見慣れないものは目に留まります。同じ形が並び始めれば、それは見慣れたものに変わります。飽きられるのではなく、前提のほうが変わるということです。

運用型広告の会社の代表が、同じことを書いています。

アナグラム株式会社 代表 小山純弥氏のX投稿。勝ちパターンは構造的な盲点を突くから勝てるのであり、構造が変われば陳腐化するという内容

勝ちパターンが、再現性をもって勝てる所以は、構造的な盲点を突くから。構造が変わり、盲点に光があたると、勝てなくなる。でも多くの人は、勝ちパターンが常に正しいと思ってしまう。実際は、構造は変化しつづけ、陳腐化していく。勝ってる理由、手品の種を理解しておくことが大事だ。

アナグラム株式会社 代表 小山純弥氏のX投稿(2026年7月)

だから、形と一緒に理由を持ち帰る

型を写すだけでは足りません。 なぜその形が効いているのかを見ておかないと、効かなくなったときに気づけません。

比較の型が効くのは、見る人が「どちらが得か」を自分で判断したくなるからです。その前提が崩れれば、同じ形でも当たらなくなります。

型を集めるときは、形と一緒に「なぜ効いているか」の仮説も持ち帰ってください。仮説があれば、数字が落ちたときに「何が変わったか」を探せます。

広告と着地先で、言っていることを揃える

クリエイティブを作り直しても、CPAが動かないことがあります。広告ではなく、その先がずれているときです。

呼んだ相手と、迎える相手を同じにする

よくあるのは、こういうずれです。

広告で「30代の共働き世帯」に呼びかけているのに、着地したページでは幅広い悩みを一般論で説明している。広告では商品を見せているのに、ページでは悩みの説明が延々と続く。このズレは、実際の運用でよく起きます。

広告で呼んだ相手と、着地先で語りかけている相手が違えば、配信をどう触っても届きません。

直す順番も、着地先が先になることがある

コンバージョン率が低いとき、原因が着地先にあることは珍しくありません。検索して入ってきた人の言葉を読み、ページの文言と写真をそこに合わせてみてください。それだけで数字が動くことがあります。

配信の設定を触る前に、まず広告と着地先を並べて読んでみてください。同じ相手に向けて、同じことを言っているか。

POINT

  • クリエイティブを直したら、着地先も同じ相手に向ける
  • 広告とページで言っていることがずれていると、そこで止まる

それでも、配信の設定を触るなら

設定に意味がないわけではありません。効く場所は決まっています。

人が外すべきもの

機械には判断がつかないので、ここは自分で外します。

  • 既存の顧客、購入済みの人、直近でコンバージョンした人
  • 採用目的の検索、対応できない地域や業種

「買う可能性がない」ではなく「こちらが売る相手ではない」という区別は、事業の事情を知っている人にしかできません。ここは残った仕事です。

絞ってよい目的、広く出すべき目的

  • 再訪をうながす、既存顧客の単価を上げる。 この目的なら、対象を明確に絞ったほうが効きます
  • 新規の獲得が目的で、汎用の商材なら、広く出しておくほうが基本です

狭くしすぎたときに出るサイン

対象を狭くしすぎると、同じ人に何度も配信され、表示単価(CPM)が上がります。 届く人数が減るぶん、同じ枠を奪い合うためです。

ただしCPMは絶対値では判断できません。 「〇〇円を超えたら絞りすぎ」という目安を見かけますが、私が見てきた範囲では、Metaでターゲットを絞れば8,000円台も珍しくありません。業種でもBtoBかBtoCかでも桁が動くので、他所の数字を持ってきても当たりません。

絞る前のCPMを控えておき、そこから1.5倍を超えたら見直す。 それが現実的な見方です(1.5倍は私が「そろそろ」と感じる目安で、厳密な閾値ではありません)。

件数が足りていないなら、絞るより先にやることがある

自動入札は、コンバージョンの件数が集まらないと学習が進みません。Metaはこれを「情報収集期間」と呼び、広告セットに大きな編集を加えてから1週間以内に約50件の結果が出たあとに終わる、と案内しています。

Metaビジネスヘルプセンターの「情報収集期間について」。1週間以内に約50件の結果を獲得した後に情報収集期間が終わる、と書かれている
出典:Metaビジネスヘルプセンター「情報収集期間について」 2026-09-06時点 サイトを見る

この50件は「そこを目指せ」という数字ではありません。それだけの件数が出ない規模なら、対象を狭くするより先に、件数が集まる形にするほうが先だという目安として読んでください。

件数が足りていないと感じるなら、対象を狭くするのは逆効果です。やることは2つ。

  • 広告セットをまとめる。 分けている広告セットを1つに寄せて、件数を1か所に集めます
  • 最適化する地点を手前にずらす。 購入や申し込みではなく、資料のダウンロードなど件数が出る地点をコンバージョンに設定します

後者には副作用があります。手前で最適化すると、そのイベントを取りやすい人が集まります。 資料だけもらう人が増え、商談につながる割合は落ちます。手前の数字だけを見ていると、成功に見えて売上が動きません(この見つけ方は CPAが下がったのに売上が増えない理由 に書きました)。

Google広告のヘルプにも、目標アクション単価を評価するときの目安があります。「評価の際は、過去 30 日間のパフォーマンスを測定し、少なくとも 30 件のコンバージョンを含めることをおすすめします」という書き方です。

Google広告ヘルプの該当箇所。過去30日間のパフォーマンスを測定し、少なくとも30件のコンバージョンを含めることをすすめている
出典:Google 広告ヘルプ「「目標アクション単価」入札戦略について」 2026-09-06時点 サイトを見る

日数と件数の両方が条件です。件数が出ない事業ほど、判断までの期間は長くなります。

この見方が当てはまらない場面

ここまで書いてきたことが当てはまらない場面が、2つあります。

立ち上げたばかりのとき

業種の型がまだ分からず、当たった実績もありません。この段階でやることは、型を探すより先に、その商材を強く欲しがる人を1人見つけることです。1人が見つかれば、その人に効いた言葉が最初の型になります。

コンバージョンが月に数件のとき

コンバージョン率で見ると、1件の増減で大きく振れます。この規模では、割合より1件ずつの中身を読んだほうが早いはずです。誰が、何を見て、何と言って申し込んだか。数字より、その内容のほうが次の一手を教えてくれます。

まとめ:設定ではなく、見せ方から手をつける

設定を細かくする前に見る3つを示した図。1つ目はクリエイティブが業種の型に乗っているか、2つ目は広告と着地先が同じ相手に言っているか、3つ目はCPMが絞る前の1.5倍を超えていないか

ターゲティングを絞るかどうかで迷っているなら、手をつける順番は3つです。

  1. いまのクリエイティブが、自社の業種で当たっている型に乗っているかを見る(乗っていないなら、ここが先)
  2. 広告と着地先で、語りかけている相手が同じかを確かめる
  3. 絞る前のCPMを控えておき、そこから1.5倍を超えていないかを見る

既存のお客さまや、売らない地域の除外は、人が決めます。それ以外の興味関心を詰める作業は、後回しで構いません。

私がCPAを半分以下にしたときも、触ったのは配信の対象ではありません。訴求とビジュアルです。

設定画面で詰められる幅は、年々小さくなっています。残っているのは、何をどう見せるかの設計です。

よくある質問

Q. 型に乗せたら、どのくらいで判断できますか。

複数の型を同時に回して、差を見るほうが早いです。1本ずつ順番に試すと、季節や競合の状況が変わってしまい、比べられなくなります。

自動入札は件数が集まるまで学習が進まないので、数日で「効かない」と判断しないでください。 判断に使える件数がたまるまで待ちます。

Q. 自動で配信が広がる設定に任せるなら、ターゲティングは何も考えなくてよいのですか。

除外だけは自分で決めます。

既存顧客、購入済みの人、採用目的の検索、対応できない地域。ここは機械には判断がつきません。年齢や地域も、事業として明らかな範囲があるなら固定しておきます。

考えなくてよくなったのは、その先の細かい興味関心の組み合わせです。そこに時間を使うくらいなら、クリエイティブに使ったほうが動きます。

Q. クリエイティブを変えるといっても、何本作ればよいのですか。

本数より、型が何種類あるかで考えてください。

同じ型で色や文言を少し変えたものを10本作っても、当たり外れは分かりません。違う型を3つ用意して、同じ条件で回す。 そのうえで、当たった型の中で細かい調整に入るほうが、早く答えが出ます。

参考にした資料

※本文で触れた他社の検証(手描き動画の比較・勝ちパターンの陳腐化)は、各社がXで公開しているものです。自社の環境で出た数字なので、そのまま当てはまるものではありません。

この記事を共有

この記事を書いた人

たけまるマーケティングディレクター

事業会社で17年、マーケティングの現場と決裁の場にいました。広告・コンテンツ・データのどれか一つではなく、売り方全体を決める側から見た話を書きます。